ヤサシイワタシ(写真参照)

現在アフタヌーンで「おおきく振りかぶって」を好評連載中のひぐちアサさんの漫画、全2巻。
今の連載も面白いんですが、こちらは方向性としてはちょっと違った感じです。漫画の性質上あんまり内容に触れられないのが歯がゆいですが・・・。


とにかく面白いんです。


何がお面白いかっていうと・・・面白いという言葉はあんまり適切じゃない気がしてきましたが、感情の描写がすごい。
この人、簡単に言うなら吹き出しで多くを語らない人、って感じです。コマの中のちょっとした仕草や、擬音、ストーリーの構成・・・良い所を挙げだしたらキリがありません。俺は好きです。


この漫画を読んだ後はしばらく放心状態だった気がします。確か予備校にいた時で、予備校にいた時はもっと情緒不安定で。で、話の主な舞台が大学なんですね。それで余計に変な感情移入(行ってないのにしようがありませんが)をしてしまい、ひどく感傷的な気分になった記憶があります。
なんというか、言葉では表しきれない感情です。なんていうんだろうな。こういうの。


先日うちの大学の教授と授業中にちょっとやりあった事があったんですが、その時に俺は何故だか、夏休みのレポートの段階で「言葉は有限、思考は無限」みたいな事を書いてたんですね、今思うと人の影響受けてるなーと思うんですが(集中講義のやつかな)、その「思考は無限」に関しても、「言葉は有限」に関しても、教授に真っ向から否定されました。
後から考えてみればなるほどそうでした。


俺が上で作品の感想を「言葉では表せない」といっているのは、それに対応する言葉がないからではなく、俺の知識や経験、想像力や推敲が足りない為に起こっているという事です。本当にこの感情を他人に伝えたければありとあらゆる思考をこらして、その言葉をひねり出す、これはきっと文学などでは活発に行われる事です。
でも俺は現段階ではそれを放棄してしまっている。これがダメなんです。


話が脱線しました。


ともかく、もし「おお振り」でもし「ひぐちアサ面白い」と思った方は、一度是非読まれてみてはいかがでしょうか。 ひぐちアサ読んだ事ない方も、単体でいかがでしょうか。 オススメです。


ところで漫画っていうのが良く小説とかに比べると文学的にたいした事ないような事を先生方から言われるんですが、俺はこれには異を唱えたいです。
そりゃあ小説も素晴らしいものは素晴らしいけど、漫画だってすごいよ。
確かに視覚のイメージで読者の想像力をある程度限定するという点は認めます。が、それを補ってあまりある文章と絵の融合がそこにはあると思うんです。
どうして日本は「漫画大国」になったんでしょうか。そしてどうしてアメコミはあんなにつまらない(個人的な意見です)んでしょうか。日本の漫画が海外でも高く評価されている事を考えれば、少しは漫画、或いはアニメ(ジャパニメーションなんて言葉もありますね)の素晴らしさも解って頂けないものでしょうか。


まあ実際は別にいいんですけどね、自分が好きなら誰が漫画を嫌いでも。人に無理強いするような事でもないでしょうし、興味のある方には読んでもらいたい、という感じです。
じゃあ上の文の意味がなくなっちゃうのか?w うーん。よくわからん・・・。まだまだ言葉が足りないです。勉強不足。