「人間って悲しいね」

と、少し前にある人がぽつりと言った事があった。その時はあまり深く考えなかったけど、最近よくこの言葉を思い出す。
悲しい事があるとすれば、それは何によるものだろう。どうして悲しいのだろう。俺は最近あまり悲しいという言葉を使った事がない。


周囲の人間が頑張っている。頑張っている人を見る。自分があまり一生懸命に生きれていないのではないか、といつも不安になる。何をしても、何を言われても、昔程の強気な自分は戻ってこない。
どこかで落としてしまったものがある気がするのは気のせいだろうか。持っているけど見えなくなってしまっているだけなのだろうか。だったら持っていないのと同じじゃないのか。いつからこうなってしまったのか。


心の底から「楽しい」「嬉しい」「悲しい」なんて、滅多にない。昔はもっとあった気がする。
でも「辛い」はよくあるんだよ。言葉としてしっくりくるのは「辛い」。息苦しさ。生き甲斐のなさ。
生き甲斐がないのに生きているのって、どうなんだろう。
自殺してしまった人のニュースを聞いても、間違っているとはどうしても思えない。人を殺したというニュースを聞いても、加害者にすべての非があるとはどうしても思えない時がある。
それは、勿論100%ではないけれど、その人の気持ちがなんとなく解った様な気になるからだと思う。


人を殺したくなった事のない人なんているんだろうか。或いは自殺しようと思った事のない人は? 
いっぱいいるか、この世の中には。