こんな夢を見た。

バンドを組めなかった相手が、北海道に就職を決めようとしている。俺はその時初めて彼の声を聴いて、慌てて彼の所へ行く。
車に乗ろうとする彼に、俺は言う。


「俺たちが本気でバンドやったら、日本のロックが続けられるんだけどな」


彼の声はとても繊細だった。俺は泣きそうになっている。
彼は、自分と君とでは音程が近いから、コーラスがやりにくいかもね、という。俺はそれはなんとでもなる問題だ、と言う。
そして彼は、


「そう言ってもらえたのを自信にして、頑張っていくよ」


と働きに行く事決意を聞かせてくれた。
やりきれない気持ちになった。どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。もっと早く気付いていれば、きっと何かすごい事が出来たのに。取り返しのつかない事をしたんだ、と思った。