子供の頃の話

とても大切なことを、いつもいつも考えていました。空の青さ、月の満ち欠け、そんな当り前のようなことが、私にはどれも大切だったのです。
冬がきても、ずっと星空を眺めていました。段々と淋しくなってきても、ずっと見上げていました。


そのうち、眼が見えなくなって、暗闇が世の中を支配しました。それはそれでとても素敵だったので、私はしばしその世界を堪能しました。
どれくらい経ったでしょうか。私は自分が光を放っていることに気付きました。でもここには空がありません。大好きだった海も、大地も、ありませんでした。


私はまた孤独になりました。